「デザインや広告で売る」ってどういう事でしょうか?デザイン業界や、企業の販売促進等マーケティングで、当たり前のように出てくる言葉です。私はあえて、当たり前だと思われてるところに、疑問を投げかけ、考える事が好きでして、その疑問から新たな発見が見つかったりすると楽しい。そして、これは、ずぅ~っと前から気になってた事なのです。おそらくデザイナーさんの多くは、『売れるデザイン』と言えば、当たり前の定説のようになっていて誰も疑う余地がないのかも知れません。
デザイン会社に入社し右も左も分からない頃から、先輩に「売れるデザイン」というような話を聞かされ、或は、デザイン学校時代に既に「売れるデザイン」を耳にし定着してるような気がします。そして、この「売れるデザイン」というものが、デザインの良し悪しのバロメーターになっていたり…。そうなると、デザイナー自らが無意識にデザインを否定したり…。良いデザインが出来上がっても、売れなければ意味が無いと…。
また売れる事を念頭に置くから、購買層(ターゲット)、そしてデータと言った数字で、告知する相手を絞り込む…。そうなると、広告本来の目的がなされてない気がするのですよね。「広告」って読んで時の如く、「広く告げる」のですから、購買層を絞り込む事で「狭告」になってしまいますよね。ここで、矛盾が生じてしまってます。本来広告というのは広く知らせるわけで、購買層も幅広い方が良いはずですよね。そもそも、『デザインで売る』って、デザイナーにはどれだけの力があるのだ?売るプロである、お店を差し置いて、デザインで売ろうとしてるわけですから、それは、デザイナーの驕りのような気がしてならないです。
また、逆に、私は過去に下記のようなクレームを受けた事がある。「客はソコソコ入ったのだが売り上げが伸びなかった。広告のデザインが良くなかったのじゃないか?」『売れるデザイン』などと、いろんな所で言われてるものだから、広告をすれば売れるものと思われてる方もいるのですよね。「客はソコソコ入った」この時点で、広告の役目は成功したと言えるのではないでしょうか?後は商品力であったり、お店の接客であったり、「売れる」と言うのは、現場の努力じゃないかと思うわけです。
デザインは広告として広く知らせるという、広告主のお手伝い程度に過ぎないと思うのです。商品が粗悪品で、しかも接客がダメなところは、いくら良いデザインの広告でも売れないですよ。(6 ̄  ̄)ポリポリ
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