
PM5:00…梯 剛之ピアノ・リサイタル(当Blog内リンク)が終わり誰もいなくなったホール入口…。今日はホールに到着と同時に事務所でデジカメの入った荷物を預かってもらい、その後事務所に鍵をかけられ出入りが出来なくなって撮影が出来なくなってしまいました。…だから、全てが終了した後のこんな写真ですみません。
…というわけで、今日はPM3時より沼隈サンパルホールで「梯 剛之ピアノ・リサイタル」が開催されました。昨日から降り続いてた雨は午前中に一旦あがり、幸いにも曇りの天気でした。天気予報では今日1日、雨という予報だったのですが、このまま、開演時間まで降らないで欲しいという願いでいっぱいでした。
知名度の低い奏者だと、いくら演奏が素晴らしくても、雨が降ると客足に影響しちゃうんだよね。逆に言えば、知名度があれば、どんな音楽でも鬼に金棒ってことか?…ダメじゃん!それじゃぁ~。って事で、知名度に負けず良い音楽で勝負する沼隈サンパルホール!
私が沼隈サンパルホールに到着したのは開演1時間前の2時でした。駐車場はまだガラガラ状態ですが、入口には既に列が出来ていました。心配された天気も保ってくれたようで雨に打たれる事はありませんでした。
さて、開演時間になりコンサートが始まると、緊張した面持ちの梯 剛之さんが登場し、演奏曲目の前にその曲の作曲家の生い立ちやエピソード等説明します。凄く声が震えた感じで辿々しい説明にこっちまで緊張が伝わり、頑張れよと不安な気持ちにさせられました。
しかし、一通りの説明が終わりピアノの前に座り、静かに鍵盤に手を乗せると、先程までの緊張感が嘘のように無くなり音を奏でられていきました。オーラを強く感じる程の演奏です。会場は残念ながら満席には至らず席の1/4が空いてしまいました。ちょっと残念ですが、席が空いた事で面白い現象を見る事が出来ました。
会場を前後左右で4等分したら右の前列エリアがポッカリ空いて後は満席なのです。お客様が左側に集まってるという感じです。舞台の上のピアノは左側に鍵盤があり最も左の席からは梯 剛之さんの背中しか見えない状況です。それでも左側の席が埋ってるのです。お客様が見ようとしてるのは梯 剛之さんの指なのです。視力を失った梯 剛之さんがどのような指さばきで鍵盤を叩いてるのかお客様にはとても興味のある事だったのでしょう。私も梯 剛之さんの鍵盤を叩く指には興味がありましたからねぇ。
しかし、演奏中はそんな指さばきの事なんか完全に忘れさせられ演奏の中に引き込まれていきました。田舎のコンサートホールですから、お客様の中には「このおじさんは音楽には興味無さそうで、途中で寝てしまうんじゃないかな?」なんて感じを漂わせてるような人もいました。そんなおじさんの指が微妙にリズムを刻んでいたのです。凄いパワーだ!
そして、私が最も感動したのが、ベートーベンの「月光」と言う曲です。「月光」は私の好きな曲の1つですが、これまでに多くの方の演奏を聴いてきました。その中では一番良かったかも~と感じる程でした。涙を流されるお客様もいました。満席には出来なかったけど、来られたお客様は皆素敵な顔して帰っていきました。素晴らしい演奏でした。
沼隈サンパルホールでは知名度よりも素敵な音楽という事を優先してるコンサートホールです。…なぁ~んてね。いや、マジで!
