2010年と2011年の福山ばら祭ポスターデザイン優秀賞の作品です。
ばら祭ポスターデザイン募る
福山祭委員会(会長・羽田皓福山市長)は、2012年5月19日、20日の両日に市中心部で開く「福山ばら祭」のポスターデザインを募集している。
A3判縦長の未発表作品とする。プロ・アマチュアは問わない。図柄には、「伝えよう!ローズマインド ―心にあざやかなばらを―」のテーマ、ばら祭のロゴ、ホームページのアドレスを必ず取り入れる。
締め切りは1月31日(必着)。所定の応募票を添える。2月上旬に審査。優秀賞には賞金7万円(未成年には同等額の記念品)を贈る。市観光課=電話084(928)1043。
そして、今、来年2012年5月に開催される、ばら祭のポスターデザインがプロ・アマ問わず広く募集されています。いやぁ~、市長さん。こういう案件は、ちゃんとプロのデザイナーさんに依頼して下さいませんか?
他の公共事業でコンペがあるとプロの業者しか参加出来ないじゃないですか?…いや、素人が参加したくてもそう簡単には参加出来ない現実というのもありますけど…。
でもね、デザインだったら大掛かりな重機を使う事も無いし、絵の具なんて誰でも簡単に手に入れる事が出来るからと、そのような理由で「プロ・アマ問わず」って事で間口が広がってるとしたなら、それはプロのデザイナーとして心外だなぁ~。
なんだかね、このようなデザインコンペの募集を見る度に、私はデザイン業界が世の中に必要とされていない実態を見せつけられているようで,とても辛い心境になります。プロもアマチュアもあったもんじゃない。私は何の為に高い学費を支払いデザインを学び、そして、それから人生をデザイン一筋にかけて来たのだろうか?と自分の人生そのものが打ち砕かれる思いで、このようなコンペを見ています。
ホント冗談じゃない!って言いたい気持ちでいっぱいです。
それに、このコンペにプロが参加する事でどんなメリットがあるのでしょうか?コンペじゃなく、デザイン会社に普通に仕事依頼でデザインを頼んだ場合、普通に賞金の7万円以上請求されますよ。もちろん、7万円以上請求する以上は、上記優秀賞以上のレベルに仕上げてくると思いますけどね。そうじゃなきゃ胸張ってプロとは言えないよなぁ~。だから、プロから見て魅力的な賞じゃないのですよ。更にこの賞を取る事で、更なる飛躍が期待出来るとか、そういうのも無いし…。
「プロ・アマチュアは問わない。」ってありますけど、実際にはプロは参加してないんじゃないかなぁ~?そうなると、福山市を代表する一大イベントなのに素人の趣味レベルのデザインで済ませてしまえるイベントというのも如何なものか?って思っちゃうわけで、こういうイベントの仕事で積極的にプロを使って活性化しなきゃならないのじゃないの?って個人的には思います。
他にも、この福山ばら祭のイベントで毎年子供からデザインを募られ誕生してるバスがあります。バスにペイントする業者は勿論プロなのですが、子供の絵を忠実に施工しちゃうものだから、ハッキリ言ってバスが落書きされたような状態でなんだか、みっともない気がしてます。
そりゃ、地元民はこのバスが福山バラ祭のイベントで子供達の絵が選ばれて施工されているって事を知ってるから何とも思わないでしょうけど、他所の人が福山に訪れてその事を知らない人が、このバスを見たらどう感じるだろうか?
身内の盛り上がりで喜んでるのもいい加減にしろよ!って思うわけです。プロを差し置いて素人で遊んで喜びプロの活躍出来る現場を奪い、卵やヒヨコの育成と力を入れ、卵やヒヨコが育った時にその子達を何処に向かわそうとしているのか?育成という名の潰し行為(当Blog内リンク)。プロの為にもならないし、これからの子の為にもならない事を町ぐるみでしている愚かさに気がついて欲しいと思います。
これは、海外の壁画です。ARTとして立派に成立してるしプロがプロである理由もちゃんと存在してます。
こちらは地元、横山海岸海水浴場の防波堤に描かれた壁画(当Blog内リンク)です。地元高校美術部の作品です。防波堤に心ない落書きが多く描かれ問題だったので、地元高校美術部に描かせたものです。
だけどね、こうやって福山の街を見回してみると、結局、素人の作品で溢れかえり、とても綺麗な街づくりをしてると誉められるものではないと思います。
結局、市は単に制作費をケチる為の手段にコンペという方法を取っているに過ぎず、デザイン業界を潰してる行為と言われても文句は言えないでしょう。市の一大イベントを告知する為のデザインなのに、アマチュアのお遊びで済まそうとする、そのような感覚で済まされてしまえるデザイン業界って…。いくらプロとして人生を賭けて頑張って来ても、結局、報われる事の無い社会を市が作ろうとしてるのですからね。空しいものです。
数日前に、「グローバルな価値観でグローバルな評価基準を(当Blog内リンク)」というのは、まさにこのような事。日本独自の馬鹿みたいな価値基準が横行していて、それは世界では全く通じない。そんな日本がグローバル社会と言いながら世界に…というのは端から見ていてあまりにも滑稽です。
こんな馬鹿げた事がまかり通る世の中ですから、産業崩壊へのカウントダウン!(当Blog内リンク)はかなり深刻なところまで来てると思います。しかし、それに気が付かない多くの人々…。
ウエノコージ