値上げの夏・暑い夏、パン・小麦粉・乳製品…
穀物の国際価格の高騰を背景に、小麦粉やパン等多くの食品の出荷価格が1日から引き上げられる。
原油価格の上昇や各国の政策的な理由による値上げも相次いでおり、暑さだけでなく家計にも厳しい夏になりそうだ。
多くの大手食品メーカーは、パンや家庭用小麦粉、パスタ、天ぷら粉など数百品目の出荷価格を1日から値上げする。乳製品の原料となる原料乳の価格も、ホクレン農業協同組合連合会と乳業メーカーが2円前後の値上げで合意した。業務用食用油や、食品の包装材に使われるセロハンなどの値上げも相次いでいる。
これに対し、小売店は、穀物相場の高騰でパンなどの卸値が上がった2008年に小売価格も引き上げて売れ行きが落ち込んだ記憶がある。このため、「配送等コストを削減し、店頭価格は変えない」(大手スーパー)等、小売り段階の値上げには慎重だ。ただ、「出荷価格に準じて上げざるを得ない」(大手コンビニ)とする業者も多く、値上げ分の一定割合は小売価格に転嫁される事になりそうだ。
夏の旅行シーズンを控え、原油価格の高騰も家計を直撃しそうだ。
日本航空と全日本空輸は30日までに、燃料価格に応じて国際航空運賃に上乗せする「燃油サーチャージ」を、8~9月発券分の片道料金で500~4,000円引き上げると発表した。
(読売新聞 - 07月01日 10:38)
目に見えるところでは値上げが可能でも、目に見えない縁の下の力持ちという部分では値下げ傾向なんでしょうね。目に見える『物』は値上げ出来るのです。
しかし、必要以上な値上げを押さえる為に目に見えない物流などでは値下げを強いられるわけで、その影響はトラックドライバー等にモロ影響が出てくるでしょう。運送業者も生活がかかってますから、それでも、以前と同じ利益出さなきゃならないのです。減った物を補う為には、休み返上でトラックを走らせる事になるでしょう。
その結果、疲労したドライバーの無理な運行で起こるトラック事故やメンテナンス費削減によりメカトラブルによる事故等が多発。事故は目に見えますから、メディアが一斉に運送業者を悪者にして規制されるわけです。そして、根本的な事故原因とかけ離れた対策が行なわれるので、同じ過ちを幾度となく繰り返すって感じでしょうか?
観光バス or 高速長距離バス【2011年作品】(当Blog内リンク)の冒頭でも少しばかり愚痴りましたけど、我々の業界でも同じ構図があります。目に見える物である、紙やインク代は値上げされるけど、コストの帳尻合わせでデザイン代は値下げを要求される。
目に見える物を扱う業者と、そうじゃない縁の下の力持ち的な業者の差。縁の下の力持ちの「力」がどんどん奪われているわけで、このままじゃ日本の経済は確実に崩壊しそう…。
見えない部分での無理なコストダウン…、経済界の強度偽装問題かも。
ちょっと、補足です。
ニュース中にあります、「配送等コストを削減し、店頭価格は変えない」という部分ですが、コストを削減の為に「お店側が自社のトラックを走らせ、運送屋を使わないようにして頑張る。」というのは全く問題ない事だと思います。私が問題だと感じるのは、運送屋という業者を使っておきながらお金を支払わない(必要以上な値下げ要求)というが問題だと感じてます。
我々の業界もそうです。「デザイン代やイラスト代が支払えない…というのなら自社で対応しろ!」と言いたいのです。
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