
私の愛車には大きな羽根が付いてます。元々付いてたのではなく、またオプション品として用意されてる物でもなく、日産自動車のモータースポーツ事業を展開するnismo製のS15シルビア用に開発された羽根でございます。実は私には独自の羽根に拘る美学というものがあります。この美学の原点は、やっぱりスーパーカーブームの時に一世を風靡したスーパーカーの代名詞、ランボルギーニカウンタックによるものだと思います。

ペッタンコの流れるようなボディの後ろで空気の流れを整流させる為と車を下に押さえ付けるダウンフォースを得る為に設けられたウイング。当時の国産車の中で、こんな大きな羽根の付いた車なんて見た事がなかったわけで、私には衝撃でした。

それから、スーパーカーブームを切っ掛けに国産車にも興味が出て、国産スポーツカーをよくみてると、写真のセリカのダックテールと呼ばれる整流の為の工夫や後付けの背の低いリヤスポイラーなど目にするようになりました。これは、スーパーカーブームとは関係なく、国産車に元々存在してた物です。スーパーカーブームで私が羽根を見てから国産車にも意識するようになって、羽根のような存在に気がついたのです。

それから国産車にも本格的にエアロブームがやって来ます。80年代後半から90年代にかけて、空気抵抗を考え走行中の空気の流れを意識したエアロパーツがメーカーでもオプションとして用意されるのが当たり前となってきました。このS13シルビアは現在のS15シルビアに乗る前の私の愛車です。
それまで「改造=悪」という風潮だった物が、車検対応スポーツマフラーの登場などで、ようやくチューニングという事が世間に理解がされ始めた頃だったと思います。エアロスポイラーも同様で、まだまだ厳しい規定もありました。当時、トランクの後ろに付いてるリヤスポイラー(羽根)の高さは、13.5cmまでと国内では決められていました。輸入車は除くという矛盾した規定でしたけどね。だから、スーパーカーのような大きな羽根を付けたくても、日本の法律ではダメだったわけです。

それから、いつ頃だったのだろうか?チューニング雑誌などで大きな羽根を付ける車を目にするようになりました。まだ、自動車メーカーが大きな羽根を出してなかったので、当時は、違法なのか合法なのか、私にも分からなくなってた時期がありまして、それでも、目に飛び込んでくる写真に、ドキドキ、ワクワクしたものです。写真はTRUSTのグレーサーエアロスタイルと呼ばれる商品で、私はこのスタイルにホレボレしました。

ここで、私の羽根に対する美学なのですが…、市販車である以上、取付けは自然な状態でなければならない!車に対して一体感が欲しいのです。例えば、このグレーサーエアロスタイルの羽根は、S13後期型の純正ウイングスポイラーの取付け位置ピッタリに足があり、純正のスポイラー取付け穴がそのまま使えるのです。純正のウイングスポイラーを外し、新たに穴をあける事も無く、また純正の穴を塞ぐ必要も無く、そのまま取付けられるので全く違和感がないのです。
そう、私の拘りは、純正のカタログモデルのように取って付けた感が無く、車と調和がとれるものでないとダメという拘りがあるのです。

その為に、いくら性能重視で考えられた、軽量のGTウイングでも市販車ベースで考えると、私には魅力の『み』の字もありません。サーキットを走るレーシングカーなら別ですよ。あくまでも公道を走る市販車として考えた時のウイングスポイラーとしては、車本来のデザインを損なう取って付けた感が許せないのです。

他にも、このシルビアにも惚れちゃいました。S13シルビアのN3というnismo製レース仕様のエアロパーツなのですが、このスタイルにも凄く惚れてしまいました。このN3のレース用の羽根が現在の私の愛車に乗っかってるようなものですね。同じnismoというメーカーの品ですから。

こうして、大きな羽根に憧れる私ですが、トヨタスープラの登場で目が輝いてしまいました。オプションだったとは思いますが、自動車メーカーから大きな羽根が販売されてる…。この事で、大きな羽根がハッキリと合法になったのだと確信しました。スープラという車には特別な感情は無かったですが、これは嬉しいニュースでした。

更には、日産のR34スカイラインでも…大きな羽根が純正で用意されました。しかし、純正のウイングってどうして、いずれも格好悪いのだろう?きっと、取付け強度とか突起物としての安全性などの基準がかなり高い所に設けられているからなのでしょうね。アフターメーカーなどにもそう言った基準はあるのでしょうけど、自動車メーカーは独自にハードルを上げちゃってるのでしょうね。その結果、デザイン的には犠牲を被ってるという感じでしょうか。

こちらは、nismoが提案するR33スカイラインGTS-tタイプMのコンプリートカーです。1997年の私が務めてた会社を辞める少し前頃に、これと同じ仕様の中古車を見つけまして、本物のコンプリートカーなのか現車を見に行った事がありました。結果は、ニセモノというか外観は綺麗に仕上げてるのですが、中身のチューニング内容はバリバリに弄ってあって、きっと元オーナー独自のセンスのもので、本当に正しいチューニングがなされてるのかは謎だった為に見送りました。もしも、本物のコンプリートチューンだったら、その場でハンコ付いてたかも知れません。私がIMPUL R33R(当Blog内リンク)に出会う前の事です。

まぁ、こんな経緯があって、現在の車にデッカい羽根を取付けました。決して、空を飛ぶ為ではありません。
Official WEB Site
