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クリエイティブ業界のどんぶり勘定

どんぶり勘定のどんぶりは丼鉢の事じゃない!

どんぶり勘定の「どんぶり」って、「丼鉢」の事じゃないのだけどなぁ~。この本の表紙をデザインしたデザイナーさんも、表紙のイラストを描いたイラストレーターさんも、仕事の前に「どんぶり勘定」の事を調べようとはしなかったのだろうか?ちょっと調べれば、すぐに分かる事なんだけどなぁ。

ちなみに、「どんぶり勘定」とは、職人等が着用する腹掛けの前部につけた物入れ(ポケット)を“どんぶり”と呼んでた事に由来されます。無造作に“どんぶり”の中にのお金が入れられ、いくら入ってるのか把握せず、分からないままに、そこから大雑把にお金を出し入れし接客してた事から、「どんぶり勘定」と言うようになったそうです。だから、「どんぶり勘定」と「どんぶり鉢」との関係は全くありません。(^_^;)

いつまで“丼勘定”は続くのか?出版界の悪しき慣例
本コラムの読者の多くは若きビジネスパーソン。業務の一環として他社との取引に際し「契約書」を作成する、あるいはこれを取り交わす機会が多いはず。しかし、今のご時勢、契約書を取り交わさずにビジネスを進行させる業態も少なくないのだ。契約書ナシ、すなわち口約束。「そんないい加減な仕事があるのか?」。読者の懐疑的な声が聞こえてきそうだが、これは本当の話。今回の時事日想は、契約書をめぐる話題に触れる。

(以下略)全記事はこちら(外部リンク)

2010年03月11日12時58分 / 提供:Business Media 誠


ネットニュースに掲載された私も非常に気になっている記事です。実は出版業界じゃなくデザイン業界も契約書を交わす事は殆どありません。口約束というのがほとんどです。その為に、契約が非常に曖昧で何処までの範囲がやるべき事で、何処からが出来ない範囲の事なのかすらも分からない状態です。クライアント様が言われた事は全て聞き入れなければならない状態で、頂くギャラに対して割の合わない仕事も多くしてきました…というか、割に合わない事だらけです。

参照:質に拘ってます(当Blog内リンク)

上記参照記事のような例も、契約書を交わさない丼勘定であるが故に発生する不情理な仕事です。こんな事は日常茶飯事で、私は契約書について本気で考えた事があります。しかし、私たちの仕事はクリエイティブ業なので、出来合いの商品を販売するのとは訳が違い、どんな案件の仕事になるか分からないのも事実です。その為、考えられる全ての条件を満たす細かな契約内容が折り込まれた契約書を作成するとなると、携帯電話等の説明書のような非常に厚みのある、これまた常識はずれな契約書になってしまうのではないでしょうかね?(笑)

ハッキリ言えば、契約書はおろか、本当は見積書も出せないのが現状です。仕事の案件が分からないと言う事はデザインが完成するまでの過程が全く見えないから、お見積もりを出す事も不可能な状態なのです。しかし、それを“どんぶり勘定”で無理矢理出してるのが現状です。

最近では経費削減の為に、デザインに使用する写真等の素材がクライアント様からの支給なんて事も珍しくありません。しかし、その支給された写真が、ちゃんと使える物なのかどうなのか…という事も分からない状態です。その為に全て最悪な状態で「使えない事」を想定してお見積もりをするとベラボウに高い見積もり金額になってしまうし、そうかと言って、全て「使える事」と想定して最安値で見積もり金額を出していて、実際には使い物にならず大幅に手直しが必用な事になると経営の危機です。(^_^;)
デザインは言わば開発です。自社開発商品を創る場合だと、開発で赤が出ても、その後の量産商品で元を取る事が出来ますが、開発のみで完結してしまうデザイン業は赤を出した時点でアウトです。(汗)

万全を期すため、全てこちらが手配する事を想定し、クライアント様からの支給を一切断ってしまうと、これまた写真という項目だけでベラボウに高い見積もり金額になり、その他、デザインに関する一切の項目を金額に載せてしまうと本当に財力のある大手企業じゃないとデザインなんて発注する事が出来なくなってしまうのじゃないだろうか?

毎日、新聞に折り込まれるチラシのデザイン1つを取っても、目玉が飛び出る料金になってしまいますよ。掲載原稿にもよりますが、おそらく現在B3サイズの新聞折り込みチラシの片面デザイン&制作料(印刷代&折り込み料金含まず)で6~7万円ぐらいの料金じゃないでしょうかね?この金額をデザインを含まずオペレーション制作費だけで考えても、細かに見積もると全然割りに合わない金額になってしまいます。

まず原稿を文字入力する際に、テープ起こしのようなタイピング屋さんの料金を適用するとします。大体相場では1文字0.5円で1時間10,000円前後の料金となっているようです。DTP作業でオペレートする時間で考えると文字入力だけでB3サイズの新聞折り込みチラシの片面デザイン&制作料代と同等か、それ以上の料金になってしまいます。文字入力だけでですよ…。更に写真撮影が必用になった場合、写真屋さんの料金を適用すると現場に行ってロケとなると純粋な写真にかかる費用の他に出張費が1日で10,000円前後かかりますよね。更に写真のカット5~6カットで6~7万円ぐらいなんてあっという間です。しかし、量販店等のチラシにはB3片面紙面で7~80点の写真が入ります。そして、撮影された写真をそのまま使うわけにではなく、商品の切り抜き作業等が必用になります。切り抜き作業は人の髪の毛のような複雑な切り抜きから、箱物のような比較的簡単な物までありますので、一概には言えませんが平均を取って1点300円とします。@300円×70点で計算すると、写真の切り抜き作業料だけで20,000円越えです。他にもカットイラストを入れて欲しいとか、要望は無数にあります。デザインを含まずDTP作業をする上での材料集めだけで、10万円を超える金額が簡単に出てきます。それにDTPオペレーションにかかる費用、そして大元のデザインにかかる費用など入れていくと厳密に料金を割り出せばB3片面紙面で30万円は超えちゃうのじゃないでしょうかね?更に校正時に大幅なレイアウト変更のような訂正料金を入れちゃうと、恐ろしい金額になってしまいます。…というか仕事量で考えるとその金額頂いても良いはずなのですが…。(笑)
そして、ほとんどの場合両面刷りですよね。そうなると料金は2倍かかりますね。印刷代や新聞折り込み代がこの金額にプラスされます。ちなみに、念を押しますが、この料金にデザイン料は含まれておりません。オペレーション業務のみの料金です。

それが丼勘定だから片面全部でコミコミ6~7万円ぐらいで提供出来ているのです。それでも、クライアント様からは高い!もっと安く出来ないのか?なんて言われちゃいますから、とても契約書なんて交わせません。(笑)

そんな、割に合わない仕事なのに何故成り立つのか?幸いにもこれらの、ほとんどは仕入れが発生しません。全てが技術料と言っても過言ではありません。だから、安く叩かれるし、割が合わなくても成り立っているのです。しかし、その裏側で多くの泣いているクリエイターが存在しています。やらなければならない業務は沢山ある。しかし、その業務が利益を生むわけではない。ほとんどが無料だから売り上げにも繋がらない。当然、会社はそんな状態で残業手当を出すわけにはいかない。結果としてサービス残業を強いられるという図式ですね。

私もサラリーマン時代に、体を壊す程サービス残業を強いられてきました。周囲の人からは、「夜遅くまで(明け方近くまで)働いて、凄く儲かってるでしょう。」なんていつも言われてました。私がフリーになって間もない頃、「凄く儲かってるでしょう。」って言われてた方の1人から仕事のお話を頂きましたが、お見積もりの段階で「ギリギリの最低ライン」で提示した金額に「高い」とバッサリ切り捨てられた事があります。(汗)
「夜遅くまで働いて凄く儲かってるでしょう。」と声をかけるのは当事者でないから無責任な言葉に過ぎないのですよね。その提示した料金で仕事を承けたとして、どれだけの時間がかかり、どれだけの業種の仕事をこなし、単価がいくらになるのか…。ちょっとでも考えたら、全然儲からない事…むしろ赤字は目に見えてるのにね。(^_^;)

参照:デザイン業界がゴミみたいな理由(当Blog内リンク)

クリエイティブ業界は本当に料金に対して無頓着ですから、こう言った正規に見積もったらどのくらいの金額になるのか、少しでも頭の片隅にでも入れて営業して欲しいと願います。そして、正規に見積もりをした場合と比べると、ほとんどの場合、タダ同然のような仕事なので、作業効率を本気で考えて仕事の組み立てをし進めて欲しいと願います。(「ムダを無くす」というのは基本中の基本でしょう。)

参照:無駄な頑張り(当blog内リンク)

ただ、あまり雁字搦めになってしまうと、こちらの記事「完成したパンフレット」(当Blog内リンク)ような臨機応変な仕事は絶対に不可能になってしまいますから、難しいところではあります。

販売する物が有形の物なら契約書を交わす事は簡単なのですが、無形の商品となるとネットニュースの記事を描いた記者も契約書を交わす事は不可能なんじゃないかなぁ~?



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