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写研の写植

写研の写植本

事務所の本棚を整理してたら、

懐かしい“写研”の写植見本帳が出てきました。

15年程前に使ってたモノです。
まだデザイン業界がDTPに変わる前のアナログ時代に
多くのデザイン屋で使われてたモノです。

現在のデザイン業界は、アナログから、ほとんどがDTPに変わり、
今ではDTPが当り前というか何処もDTPですよね。
写植(フォント)書体も、“写研”から“モリサワ”に
主力が変わってますが、

やっぱり、私は“写研”の文字が好きだなぁ~。

当時のモリサワのシェアは、
本社がある大阪で、写研の3分の1くらいと聞いてました。
東京では1割程度だったらしく、まったくマイナーな存在でした。
デザイナーは、“写研”の文字しか眼中にないような状態でした。

しかし、そんな“モリサワ”と“写研”ですが、

もともとは一緒に写植機を開発した仲間だったようです。

外国の写植機にヒントを得て日本独自の写植機を考案し完成させたのが、
“モリサワ”の創業者である森沢さん。
その森沢さんと共同して文字のデザインを担当し、
開発資金を調達したのが“写研”の創業者である石井さんなのです。


2人は写植機の共同開発者になっています。

学歴はないが独創力がありメカに強かった森沢さんと、
高学歴で資金力のあった石井さんですが、
どういう経緯か分かりませんが分裂して違う会社になったそうです。
どちらの担当した分野が、その後の展開に有利に働いたかといえば、
機械の性能では優秀な“モリサワ”でしたが、
文字のデザインという面では“写研”が大きくリードしてたようです。

そんな背景もあってか、“写研”の営業の強気な姿勢には、
話を聞いていて驚かされました。

基本的な書体である「石井細明朝体」と「石井太ゴシック体」は、

写植機1台につき1セットしか売ってくれない

という事だったようです。

書体は1セット15万円とか20万円とかするものでしたが、
「売ってくれ」と言っても売らないのだから凄いことです。

これは“写研”の写植機が高かったことに問題があったようです。
同程度の機能を持った写植機なら“モリサワ”や“リョービ”のほうが安く、
文字盤の台を変えれば“写研”の文字盤を使うこともできた。

価格差はよくわからないのですが、50万とか100万も違ってくれば
“モリサワ”や“リョービ”の写植機を買う人が増えてきます。

しかし、“モリサワ”はともかく、
“リョービ”の書体はほとんど無名(当時、私はリョービの書体を見た事がない。)で、
どうしても“写研”の書体が必要になってきたわけです。
実際、“リョービ”の機械を使っている人は
みんな“写研”の書体を乗せていた。
そんな事情もあったのだろうが、とにかく営業は強気で、

どちらがお客だかわからないような感じだった

という話を聞いたことがあります。

そんな“写研”の独占状態も、今となっては過去の話で、
早々とDTP市場に参入したモリサワ書体は、

今やDTPのスタンダードになっている。

電算写植にこだわった“写研”は完全に乗り遅れて、
パソコンの世界では“写研”の書体を見かけなくなってしまった。
しかし、DTPでスタンダードになったモリサワフォントも、
メイン書体であるリュウミンは“写研”の石井明朝体と
見分けがつかないほどそっくりだし、
新ゴという書体は“写研”のゴナによく似ていたため
裁判沙汰になりました。


“モリサワ”は裁判に勝ったのですが、
そろそろスタンダードとは言えなくなってきたように思う。
他のフォントメーカーも力をつけてきて、
手頃な価格のフォントを多数リリースしてきているからです。

そのような背景に、
「1年間52,500円でモリサワフォントの138書体全てが使える」という

新たな商品をラインナップさせてきた。

これは、価格の安いニィスフォントなどへの対抗策なのだろうか?

しかし、DTPになって、安いいろんな書体が出てきたといえど、
やっぱり書体のデザイン完成度は“写研”が高いと私は思うなぁ~。
そんなDTPで完全にシェアを失ったように思える“写研”ですが、
集英社の、少年ジャンプ(マンガ)のふき出しの中のセリフは、
“写研”の写植が使われてるようです。


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コメント


なつかしいーーー

ナール、ゴナ、ゴカール、ロゴライン、スーシャ。。。
懐かしい~~~~~っ!!!
かむぱーーーっく!写研フォントーーーッて気分です。

ゴカール

うちに、“ゴカールU”のみ
Macintosh用フォントがありますよ。(笑)

写植と同じく「かな書体」ですが、
文字入力が「かな入力(ローマ字入力はダメ)」しか
対応してないのと、組み合わせる漢字書体
(ゴナU)がない為に、使い物にならない書体として
葬られています。(^_^;)

“ゴカールU”を手に入れた当初は、
新ゴUと組み合わせて無理して使ってましたが、
やっぱり合わないですね。

実は“写研”の書体もDTPに対応させる為に、
書体のデータがあるにはあるのですが、
フォントではありません。

http://www.net-dtp.com/

上記の“NET-DTP.COM”というサイトから
手に入れる事ができるのですが、
アナログ時代の写植と同じように、
写植屋さんに書体&Q数(ポイント)指定をして
写植を打ってもらってたように注文し、
アウトラインデータを買うという仕組のようです。

DTPしか知らない、今のデザイナーさんは、
果して書体指示が出せるかな~?(笑)

写植・版下

KOJIさん おじゃまします。日高です。
僕がデザイン業界に入る前に修行をしていたのが写植・版下屋でした。久々に見本帳を見て
なんとも懐かしい限りです。僕はNo.45まで持っていましたが、どこに行ったかな~。
当時(1986年)東京の神宮前にある会社で、僕の担当は「版下」。デザイン会社に原稿を取りに行ってはオペレータさんに指示しながら、時には僕も教わりながら写植機でガチャガチャと打っていたんです。級数表とか歯送り表を使って行間や書体を指示したり、なつかし~な~。
1歯詰めなんてのもありましたね~。おそらく今のデザイナーさんには想像もつかないでしょうね。
その写植屋では当然のように「写研」の機械と文字盤でした。メインの文字盤は確か1枚20万でサブ文字盤(記号やつめ文字盤)1~2万位でしたか…。機械もだいたい1台500万で写研から機械の配送だけで1台につき10万とか、かなり強きでしたね~。
その時の社長と写研の営業とよくもめてましたよ。
当時青山にあった大手の写植屋に強盗が入り、なんと盗まれたのは文字盤150枚!なんて事件もあった程です。

いま振り返ってみると「アナログ」はやっぱりいいですよね。役割分担も分かりやすく、デザイナーが手書きの原稿に書体・行間・歯数を指定して、写植打って、版下作って…。今じゃデザイナーが製版までやっているようなもんで、忙しいわけですよ。
1回元に戻しませんか?って思います。ゴナM、12Q、行間17H送り、左右なりゆき、なんて。
なんか専門的でよかったな~。
そういえばこの頃でも「モリサワ」は1つの流行みたいになってました。特にアパレル業界を手掛けていたデザイナーはみんな「モリサワ」を好んでいました。MB101とか。

いやいや長くなってしまいました。
これからも宜しくお願いします。楽しみにしています。

シビアな文字の世界

>ゴナM、12Q、行間17H送り、左右なりゆき

そうそう。
そうやって、指示して写植屋さんに依頼すると、
「えぇ~、それじゃ、この枠内に入りきらないよ。
要するに、この枠内に入るように入れたらいいのでしょ?」
なんて、ペーペーの頃は逆に写植屋さんに言われたりね。(笑)
それで、「はい…。」なんて返事して、打ってもらうと、
今度は先輩デザイナーから出来上がった写植を見て、

「こっちの文字枠と合わせる為に
ゴナM、12Q、行間17H送りにしてあるんだから、
枠内に入るようにQ数を下げて打ってもらうのではなく、
12Qでも入るように逆に枠内を広げなきゃダメだよ~。」
なんて怒られたり。

1文字1文字にシビアでしたよね。
今じゃ、デジタルだから文字が入らなければ
簡単に変倍かけて、無理矢理入れたりしてるけど
(私はそんな事しませんが)、読みくいったらありゃしない。

読みやすさよりも、枠内に入れる事に
必死になってるって感じです。

写植だと、長・平体は読みやすさを考えて
“4”までしかなかったけど、デジタルは無限ですからね~。
デジタルは写植と違って文字の自由度が利くという
利点があるものの、文字のルールをしっかり把握してないと、
何でも有りのメチャクチャになってしまう
という欠点も合わせ持ってます。

文字の世界は…、奥が深い!
(奥が深いのは、何も文字の世界だけではないですが…。)

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